人は初心を忘れる
今の自分にとって出来て当たり前のことを出来ない人に対して、同じ目線に立ってペアを組んであげたり、寄り添ってあげたいという気持ちは、ペアダンスを経験してきた人なら自然に湧いてくるのが普通だと思います。
欠点や問題点を克服してきた辛い経験があればこそでしょうが…
不思議なことに、
克服したはずの問題点というのは、新たに別のダンスを始めると再び同じ様に顔を出すようです。
ペアダンスに慣れないうちは、自分が踏むべき足の置き場や、相手の足が気になって、ついつい足元に目をやる人が多いのですが…
サルサはもちろん、WCS も初心者レベルを何年も前に卒業した私でも、
現在習っているアルゼンチンタンゴでは、難しい課題にぶつかると、知らないうちに視線が下がってしまうことに気が付きました。
視線が下がると、軸が曲がりやすいので、
・ステップの安定性がなくなる
・水平が崩れて、リード&フォローの精度が著しく落ちる
ちょっと考えるだけでも2つの弊害がすぐに思い付きます。
人によっては、これ以外の悪影響も出てくるでしょう。
何度やっても上手くいかない時、頭を起こし、視線を水平に保つだけで、嘘のように全てが好転することがダンスではよくあります。
初心者の頃、これを経験して「視線を下げない」ことを頭に刻み込んだはずなのに…
視線が下がって上手く踊れない人には、それを指摘して改善できた経験が何度もあったのに…
自分のこととなると、再び同じ道を通ってしまう。
何年も経つと初心を忘れるのは、人の常なんでしょう。
壁にぶつかった、と思うくらい何度やっても上手くいかない時。
案外それは、難しいから出来ないのではなく、初心の時期に習うような基礎が疎かになっている場合が多いように思います。