リーダーが心掛けるべきこと
ペアダンスを始めた当初はリードとは女性を物理的に動かすことだと思っていました。
単純にいえば、力づくで動かせばいいと。
それが間違いであることには2日目で気付きました。
力いっぱい動かそうとするとかえって上手くいかないのです。
だったら、ジャストタイミングより少し早く軽い力で動き方を指し示せばいいんだと考えました。
でも、キャリアを積んでくると、それも違うことが解ってきました。
リードとは早めに動き方を示して女性に動いてもらうのではなく、やはり最初の頃に考えたように「女性のステップ移動に合わせて、力学的なエネルギーを直接加えることで動きの変化を促すこと」だと知りました。
ですから、リードすべてにおいて女性の足の着床タイミングより早く動かしてしまったら上手くいかないこともあるのです。
動きの内容によって、1カウント前だったり、着床の寸前だったり、ジャストタイミングだったり…リードタイミングは実にいろいろなのです。
ただし、動き方を事前に示しておくことはとても重要です。
例えば、インサイドターンして欲しい時は、実際に回るタイミングではなく、その一つ前の足が軸足となるので、その足をステップするタイミングで手の握りを変えたり、プレパレーションと呼ばれる手の弾みを加えれば、女性にその足が軸足となり、どちらの方向に回るのかを予測させることができます。
現実的にいうと、プレパレーションのような気の利いたリード技術は中級以上にならないとなかなか身に着きません。
自分の動きをこなすのに精一杯なうちは、相手への配慮まで構っていられないからです。
プレパレーションのように一つ前のカウントで行う技術だろうが、直接のカウント足だろうが、リードタイミングのほとんどは女性のステップに合わせて行うのが普通です。
つまり、リードタイミングは女性のステップタイミングに呼応するのです。
女性は普通、リーダーである男性のステップに合わせてステップするので、男性は上手にリードしたかったら、まずは自分自身のステップをリズムに合わせて強く、規則正しく踏めるようにすることが一番大切であるということになるわけです。