歩き方、日本と西洋の違い
名古屋ローカルのスポーツ情報番組。
フェンシングで東京オリンピック代表を目指す岐阜の女子大生を取り上げてました。
彼女の種目はフルーレ。
胴体への「突き」のみポイントとなります。
当然、前方への強い推進力が求められる。
なんとなく観ているだけでも、後ろ足の蹴りでロケット噴射のような推進力を作り、剣先を飛ばしていくイメージが持てます。
上体は前足に乗るというより、前足に引っ張られる感じ。
に対して、剣道ではどうだろう…?
剣道には優先権という概念が無いし、突く、切る、払う…という複数の動作チャンスが両者に等しく与えられます。
押すにも引くにも瞬時に動けるよう、絶えずバランスの取れた位置に軸を置きます。
そして、攻め込む場合。
切るにしても突くにしても、剣と一緒に出ていく前足に体重を乗せて剣にパワーを与えるイメージです。
剣と前足、上体が一緒に出ていく感じ。
この違い、歩き方における西洋と日本の違いとまるっきり同じだと気付きました。
歩く際の推進力の源を、西洋では後ろ足の指とボールによる蹴りで作ります。
バレエやジャズダンスのウォーキングだけでなく、西洋人が普段歩く時もそんな感じです。
対して、日本の作法では、
足を前に出すと同時に体重を乗せてしまい、後ろ足は付随的に引き寄せるだけです。
足の動きに合わせて両手を強く振ることも善しとしません。
上体の捻じれや骨盤の回転も意識して作らないので、膝を曲げたまま、すり足気味にちょこちょこ歩くことになる。
能や狂言、時代劇に出てくる武家の人たちが正にこの歩き方です。
現代の日本人の歩き方も、古来からの作法の影響を受けています。
良いウォーキング法を教わっても、膝の屈伸を明確にできない人が少なくないのはこのためでしょう。
個人の長年の習慣どころか、日本人としてDNA が作り出した歩き方の癖。
すぐに直せなくても当然かもしれません。
が、西洋のダンスを踊るのであれば、立ち方歩き方から西洋スタイルにしなければ上達しないのは当然。
私の場合、こういう理論的な説明を受けたことがなかったので、最初は歩けないどころか、頭で理解することもできませんでした。
普段の意識付けからコツコツやっていきましょう。