Sugar Push 2
前ページで、ごく初歩的な簡単パターンであっても、基本に忠実に綺麗にこなそうと思ったら、意外に難しいと述べました。
まずはウォーキング練習の段階で、徹底して「色付けせずに綺麗に歩く」ことを身に着けることが大切です。
高い意識を持った上で、効果的な練習を積んでくると次第に、ダンスを上達させるあらゆる要素が、基本的パターン、あるいはステップ自体に含まれていることに気付きます。
リーダー、フォロワー共に、作為的なものを一切排除した無垢なステップを身に着けると、
・リードとは、最小限のコネクション変化で十分に通じる
ことが判り
・フォローとは、リーダーが意図したこと以上に作為した動きを添加してはいけない
ことが判ります。
「進んで止められ、戻る」だけの Sugar Push は、この無垢なステップがいかに大事かを教えてくれる最適なパターンなのです。
基本から外れた姿勢や歩き方が抜けない人は、
・腕力でのリードでないと通じない
と思ったり、
・手(コネクション)に伝わってくる微細なリード信号を聴き逃して忖度のフォローをしたり、
フォローとは、リードを感じた瞬間、自身が意図する動きに切り替えて受けるもの…という勘違いを起こしやすいのです。
たとえば、フォロワー目線で見ると、
Sugar Push は、綺麗なステップを踏んでいれば、以下のリード情報を読み取れるはず。
・カウント①
手を引かれて、静かにアクセルを踏んで前進を始める
・カウント②
そのまま前進を続ける
・カウント③&
③行く手を阻むような微かな抵抗感を感じてアクセルから足を外し、静かにブレーキを踏んで
&止まった(進みたい気持ちと止められる制動力が平衡した)状態で、バックギアに入れる
・カウント④
リーダーの押し戻しに応じて後退する
・カウント⑤&
⑤最初のブレーキを踏み、
&ポンピングブレーキで一旦緩めてから
・カウント⑥
スロット最後尾で完全に静止する
ところが、ほとんどのフォロワーは取るべき行動のタイミングを取り違えたり、リード情報以上に自分の意思を被せがち。
それは、フォローの実(じつ)をまだ理解していないからだと思われます。
色付けのない綺麗なステップで動ける人は、特別教わらなくてもフォローが何たるかを自分で悟ってしまうのではないのでしょうか。
そういったリード&フォローのポイントがたくさん詰まっていて、
勉強したり、確認したりできる最適なパターンが Sugar Push だと感じます。