ダンスインストラクターじんじんの日記

Salsa, West Coast Swing のインストラクターじんじんが思いのままをつづるブログ

フォロワーは水のごとく

2006年10月のプライベート日記から

久しぶりにMちゃんと踊った。
テンションが重いので、私の好きな「ねっとりローションサルサ」になった。
踊り始めてすぐに「いやぁ、じんじんさん、いつ踊ってもホンマに滑らかやわぁ。」と褒められた。

Mちゃんは初めて踊った1~2回めはゼロに等しい軽いテンションだったけど、注文しなくてもだんだん重いテンションをくれるようになった。
その辺りを本人に訊いてみたけど、特に意識して変えてるわけではなく、相手のリードによって感じるままのフォローをしているに過ぎないと言う。


うーん、これって本当に不思議。
相方との間で初めて粘りのサルサが成立した時も、彼女が意識してネットリさせてくれたわけではなく、後で私に言われて「今のが“ソレ”だったの…?」と気付くほどだった。

 

私のテンションに対する好みを言うと、「普段は抜いておいて必要な時だけキュッと入れるんじゃなく、手が繋がってる限りは絶えず1%ほどのテンションを残して踊る。」
だから、2人が離れ合う動きの時でも引き合う力は抜かない。

 

動きの感覚を例えて言うなら、

・「ハエ捕り紙の上を歩く」ような足下の粘り

・「水中で動く」ような手に感じる抵抗感

 

私は今までこの感覚を女性の側から貰うものと考えていたんだけど、実際は私がリードする上で「粘りを誘引するテンション」を引き出していたのだ。

 

元々粘るタイプの女性はすぐにハマるけど、そうでない軽いテンションを好む女性でも、“曲が良く”て私の気分が“ノってる”時は、私のステップ足やリード手の中に入り込む粘りを感じ取ってフォローに反映させてくれる鋭い人がいるのだということを悟った。

 

当時はサルサを始めて2年。

ところが、当時の他の文章を読んでも、既に今現在の私が考えるのとほぼ同じことを考え、不思議がり、目指していることが分かって面白いというか、頼もしく思いました。

 

ある程度のセンスを持ち、ある程度の経験を積んだフォロワーは、自分の踊り方や力の入れ具合を常に貫き通すものではないことを知っています。

ところが、この日記以前の私は、組んだ相手との相性は絶対的なものだと思っていたわけです。

 

そして悟ったのが、

・フォロワーは、水がどんな器だろうとその形に合わせて収まるように、自分の形を臨機応変に変え…

・リーダーは、フォロワーが迷いなく形を変えられるよう、器の形をはっきりと指し示す

 

のが、ペアダンスの基本であるということ。