今の私へと導いてくれた人
Jimmy Yoon & Basara Lee Social Dance at SalsaCon1 Festival in Seoul, Korea! - YouTube
私がサルサを始めた頃はOn1スタイルが全盛でした。
しばらくして、海外で目覚ましい活躍をするダンサーはOn2スタイルで踊る人が多いと知りました。
そんな中、私が見つけたのが韓国人ダンサーが踊る数々のOn2動画。
今まで見たことないほどスタイリッシュでカッコいいリーダーが何人もいることが信じられませんでした。
リーダーだけでなく、フォロワーも素晴らしいダンサーがいくらでもいました。
中でも当時の韓国サルサシーンで一際目立つ存在の一人が、私が始めて踊った韓国人プロダンサー、Basaraです。
最初の出会いから思い切りへこまされました。
とにかく重い。
全然リード通りに動いてくれない。
意地悪してるんじゃないかと疑うくらい…
韓国には1年に数回踊りに行きましたが、彼女は割とサルサバーに顔を出す方なので、その後も姿を見つけるとフロアーに誘うのですが、回数を重ねても改善の兆しはありませんでした。
しかし、彼女を始めとする韓国女子を観察し、実際に踊ることで、最初は全く解らなかった重さの理由がなんとなくつかめてきました。
ページ上の動画を観ても判るのですが、彼女はとにかくステップを溜めます。
単純に考えると、溜めるステップに対して速すぎるリードをするから重く感じる…となりがちですが、実はそればかりじゃないのです。
溜めるステップは床をグリップする時間が長いので、ステップ力がとても強い。
力強いステップをする彼女に、外的なエネルギーを加えて踊らせようと考えるから余計に重く感じるのです。
事実、私自身も溜めるステップをするようになってからも、彼女と作ったペアワークはしばらくの間は重いままでした。
それで考えた。
彼女自身の意思と力で踊ってもらえば、リーダーとして何ら負担にはならないはず。
彼女に限らず、韓国の女性プロや上級アマチュア女性はパターンフォローよりも、ボディームーヴメントを混じえた自分発振のダンスを好みます。
そこで、私も難しい回転系パターンをつないでいくよりも、ムーヴメントをしやすいようにステップの同期に重きを置いたリードに変えたのです。
長い間、雲の上の人だった彼女との距離が一気に縮まりました。
ある時、踊り終わりと同時に英語で「日本からですか?」と訊かれ、名前を尋ねられました。
その後、彼女から友達リクエストを貰えたことは、どんな賞状やトロフィーを貰うより大きな達成感となりました。
自分は高みに留まったまま「ここまでおいで!」と呼んでくれる彼女と早い段階で会えたから、私は目指すべき場所がどんな所か想像できたのです。
彼女が当時の私に合わせてイージーな踊りをしていたら、今の私はいなかったかもしれません。