啓示によって動かされる
「お互いに呼応し合うように一曲を協奏するような感覚で踊る。」
前の記事で自分が書いた文章を読んで、本当に心の底から楽しいと思えるペアダンスを踊れている時は、正にそれができてる時だなと思えます。
サルサを始めた当初は、「リーダーがリードをし、フォロワーがフォローをする。」
それ以外に何かあるの?っていう認識でした。
リーダーが上にいて、フォロワーはリードに追従するという関係性だと思っていました。
しばらくして、リーダーはフォロワーの気持ちを汲んだリードを行なうべきだと知りました。
ペアダンスの基本がそうであれば、意識高いフォロワーはむしろリーダーより上に位置すると考えるようになりました。
そういう意識になればなるほど、リード&フォローの奥を知りたいと思い、WCSやアルゼンチンタンゴの門をくぐることになりました。
そのWCSでは、フォロワーはリード通りに動かなくていいこと、リーダーはフォロワーの動きや意図によって次のリードを変幻自在に変えられる力を持つべきことを学びました。
覚えたパターンや既存の汎用ペアワークだけでは対応できないダンス。
踊っている本人たちさえ次を予期できない、自由気ままに変化していく二人の動きが、自身が意識して動ける粋を越えると、まるでダンスの神か、我々を超越した何か別の存在からの啓示によって動かされているような感覚に陥ります。
こうして積み重ねた新しい知識や感覚を持って今回のサルサに臨めたこと。
相手をしてくれたゲストダンサーが、リーダーである私に対して能動的な働きかけをすることができる数少ないサルサフォロワーであったこと。
この組み合わせが、前回までの啓示とはまた違う、新しい“自分の踊らせ方”に出会わせてくれた。
それで昨夜は余計に嬉しかったのだと思います。