タンゴリーダーは女性の後に動く
タンゴを再開して、13年前にやっていた時には感づくことが無かった「戸惑い」がいくつかあります。
サルサとWCSを精進し、ペアワークの技術と感覚を磨いたことでタンゴにも活かされる部分はたくさんあって、13年前の私のタンゴリードも知る相方は「今は何をやらせたいかがよく判る」と言います。
が、反面…
サルサとWCSで得た気付きや理論のまま、タンゴを踊ると不具合が出てくることがあるのも事実です。
これまでは「良い基本姿勢と良いステップがあればペアワークは成立する」と思ってました。
ステップはダンスそのもの - ダンスインストラクターじんじんの日記
よほど基本ができてない女性が相手でなければ、自分自身のステップの力でフォロワーを行くべき方向へ運べると思っていました。
でも、それはサルサとWCSに限ってのことだと気付きました。
アルゼンチンタンゴでは、組んだ二人の間隔が狭い上、女性の後退ステップが多い。
基本姿勢やステップがレベルに達していない初心者女性が相手だと、基本パターンであるサリダでさえ、ステップに込めた意思が伝わりません。
サルサやWCSでは自分が動けば、動いた分だけ相手も自動的に動いてくれていたので、タンゴでも私が自信を持ってしっかりとしたステップを踏めば女性に伝わると思ってました。
ところが、タンゴは二人の間隔が狭い。
フォロワーはリーダーの足を満足に見られないので、フレームができてない女性がリーダーの前進に対して相応分の後退をしてくれない場面が多発します。
では、どうするか。
上半身のフレームで相手を押し、女性がどいて空いたスペースに自分の足を置けば良い。
WCSの基本姿勢では踵と背中の方に軸を持っていく意識を強く持っていましたが、それだと自分のフレームで相手を押すことができません。
強くステップすればするほど、遅れをとった相手の足を踏んでしまう訳です。
肩甲骨は後ろに引きますが、リードの意思は胴体の前側に集中させる。
フレーム全体を上に引き上げて、ステップするタイミングよりほんの少し先に動かす。
私は胴の前面が触れるほどのアブラッソは好きではないのですが、隙間が開いていても爪先よりに荷重を置くことで、ステップではなくフレームで物を言わすリードが少しは出来てきたように思います。