カウントしないで踊る
ここ、はてなブログに移る前のブログに載せた記事を読む機会がありました。
steps: Salsa & WCS in Nagoya ブログ
「無心に」2017/03/18
http://blog.livedoor.jp/mambohompo/archives/50874748.html
上手くなる為には、まずカウンティングを止めることとしています。
「カウント1に照準を合わせて踏み出す準備をする」のではなく、
音楽をよく聴き、ビートを捕らえて「音の流れの上に乗っかる」感覚で身体を動かし始める
現在の私はサルサでもWCSでも、曲を感じるままカウントしないで踊り始めます。
その感覚は、自分に向って川のように流れてくるイメージで音を捉えることから始まります。
steps: Salsa & WCS in Nagoya ブログ
「川の流れのように」2015/02/04
steps: WCS & Salsa in Nagoya ブログ : 川の流れのように
こう唱える私も、以前は必ずカウントをしていました。
「5, 6, 7, 8」を意識しなければ、スタートの「1」はありませんでした。
それで、ふと気付いたのですが…
今回、タンゴでは最初からカウントを数えたことが一度もないのです。
それは、音を捉えるイメージがこれまでの経験で染み付いたせいもあるでしょう。
一方で、タンゴ曲に対して何の知識も思い入れも無いために、音楽として認識しないからかもしれません。
私にとってタンゴを踊る時の音楽は、小鳥のさえずりや、波の音のような “Background Sound”。
耳と脳を使って鑑賞する意識が微塵もない為、音だけがダイレクトに身体に入ってくる。
規則的信号としてのビートはもちろん、滑らかなレガートも端切れよいスタッカートもそのまま身体で聴けるし、軽やかさや重く沈む表現も感じるまま身体が動くのです。
考えてみると、ドラムやパーカッションで明確なビート感を出すポップスやサルサと違って、タンゴ曲は緩やかな情緒感を醸し出す音楽です。
パターンのステップ数もWCS以上に定まりません。
ハーフカウントでシンコペーションさせたり、ダブルカウントで延ばしたり、止めたり…
同じ足の位置で行ったり来たりを繰り返すことも頻繁に行います。
動き始め自体がとても静かなので、“カウント1” を予測して逆算カウンティング…という作業自体あまり望ましくないダンスといえるかもしれません。
さらに言うなら、女性の心の準備を測ってから動き出しの合図を送るのがタンゴリーダーの大切な役目。
リーダーが勝手に心の中で「5, 6, 7, 8」と唱えていても、フォロワーはその準備がまだできていないかもしれません。
タンゴでは、リーダーとフォロワーが聴こえてくる音に対する共感意識を高め合った末に第一歩を踏み出すことが欠かせません。
「マイカウントダンス」からなかなか抜け出せないリーダーは、アルゼンチンタンゴを習うと上達のヒントが見つかるかもしれません。