ダンスインストラクターじんじんの日記

Salsa, West Coast Swing のインストラクターじんじんが思いのままをつづるブログ

山の稜線

注意喚起を促したいという意図は解るけど、

煽りが過ぎると感じる表現。

「今の日本の姿は、2週間前の欧米。」

 

確かに、

身近な問題と捉えない人、

「自分は若いから大丈夫」と、感染させる側になり得ることを考えない人…など、

油断する人は少なくないようです。

 

が、フランスで起こった、ナイフによる殺傷事件のニュース映像を見ると、警察官も一般市民もマスク姿が無いことに驚かされます。

アメリカなどの様子を見ても、マスク着用が広く浸透しているとは言い難い。

 

深刻さが猛スピードで進んだイタリア。

「ピーク達したか、緩みで市場に人出」という見出しのニュース写真が出ましたが、ここはマスク姿が目立っていて、他人事ながら安心しました。

 

これらを見ても、国や地域によって感染症を取り巻く背景はいろいろ。

日本では都市部を中心に、感染増に勢いが付き始めたのは確かですが、欧米の主要な感染国と同じ曲線を描くとは限りません。

 

日本人、特に女性の中には、コロナウイルスが出現するずっと以前から、顔を隠したいからなのか、マスクを掛けることが大好きな層が存在するほど、日本でマスクは身近だったのです。

 

しかも、隣国が感染の震源地だっただけに常識で考えても、油断する人の率は2週間前の欧米より少ないはず。

 

さらに大きいのは、日本は「サービスはタダ!」の国であること。

 

早い話が、外出中にトイレに行きたくなった時。

 

街中であれば、トイレを使えそうな店やビルがいくらでも見つかります。

ちょっとした公園なら、トイレか水飲み場があるので、手洗いもそれほど難しくない。

しかも大抵は清潔に保たれている。

 

これがチップ制度が敷かれた国だと、公共のトイレは簡単に見つかりませんし、有料だったり、店の人に鍵を借りる必要があったりします。

 

日本のように、思い付いたらすぐに手を洗える国はそんなに多くありません。

 

マスク、清潔さ、手洗いの頻度…

条件が違うのに、統計を当てはめることはできないでしょう。

 

“地獄”行きのカーブは同じではない。

 

が、確かに今、我々が居るのは麓ではないようです。

既に登り始めている。

 

マッターホルンのような急峻さはないけど、私たちの富士山も世界に名だたる高い山には違いない。

このまま進んだら、えらいことになりそう。

 

でも、日本はブレーキ役を果たす要素をいくつか持つ分、欧米ほどの加速はまだ付いてないでしょう。

自分の意思で止まれる余地はきっとあるはず。