ペアダンス覚えて華麗なる人生を
韓国に来ています。
さっきまでホテルのケーブルテレビを観ていました。
日本語放送を探してチャンネルを次々に換えていくうちに、簡単なペアダンスをしている中年の男女が目に止まりました。
Silver iTVの「スターショー・リズムダンス」。
広く一般的に広まる社交ダンスのステップではなく、もっとシンプルに崩したベーシックを紹介するダンス教則番組でした。
チャンネルのキャッチフレーズが「ブラボー青春、華麗なる人生」というだけあって、50〜60代の“まだまだ動ける世代”というより、70代以上をメインターゲットにしたような動きの小ささです。
そんな本格的高齢者用ステップはパターンの応用性、発展性がないのでこの際置いといて…
6カウント-6ステップの単純な平打ちリズムのベーシックには、超初心者を教える際に私が悩む “手と足どちらかにしか気が回らない” 症候群を乗り越える大きなヒントがあるような気がしました。
とにかく、一度もペアダンスをしたことがない人には動くことよりもまず、手や肘、肩に余分な力を入れないで、かといって完全脱力でもない、適度な張りを保つことが難しいのです。
それを踏まえた上で足型をなぞろうとすると、今度は手や肘の力の配分や動かし方が怪しくなる。
これに(WCSの)半拍や、(サルサの)休拍が入ると、もうダメ。
できる人には理解できないでしょうが、できない人は何時間練習してもできないのです。
一度に乗り越えなきゃならない壁が多過ぎる。
だったら、半拍や休拍を無くしちゃおう!
6拍を6歩、均等に踏む。
もし6歩で一つの動き(パターン)を完了できなかったら…
・次の6歩にずれ込んでもいいし
・2歩足して8歩にしてもいい
私の場合、こういうステップ練習は2拍3歩や、2拍1歩などのリズム変化を完全にコントロールするための練習法として紹介してきました。
通常のベーシックにたどり着くまでの一つの初期段階として。
でも、よく考えたら「通常のベーシック」って何???
“通常” っていうのは世間一般に広まってるっていう意味。
一人一人にとっては絶対ってわけではない。
ローカルルールや地域スタイルがあってもいいし、個人個人の完全オリジナルベーシックだって、成り立つものなら構わないのです。
何でもかんでも世間に合わせなきゃいけないわけではない。
だから、「6カウント-6ステップ」を到達点に向かうまでの一段階と捉えるんじゃなく、それ自体を到達点とすることにしました。
思いっきり低いハードルを超えて、とりあえず完走してみる。
それをやり遂げることで達成感を味わえたら、次にハードルを上げるか距離を伸ばすかで徐々に世間一般のカテゴリーの中で勝負できるように持っていく。
こういう取り組みでペアダンスの基礎をマスターする方法はあまり見たことがないので、一度でも普通のレッスンの中に身を置いた人には奇異に映ることでしょう。
でも、半年間ペアダンスレッスンを受けた中高年の人で、基礎と足型とコネクションを同時にやりこなすレベルに達するのを見たことがない私には、しごく真っ当なアプローチじゃないかと思えてしまうのです。