動き出す直前の軸足をどう使うか
ペアダンスではパートナーと組むと、動き始める前にまず息を合わせます。
サルサダンスのように音楽ビートに対してカウント足が決まっているダンスだと、リーダー自身が踊りたいスタイルに合わせて勝手にベーシックステップを踏み始めることもありますが…
(本来は、どんなダンスであっても「息を合わせる」手間を省かないリーダーの方が評価されるものです。)
初対面の相手と踊るとしましょう。
まず二人で基本姿勢を正してフレームを共有します。
その上でリーダーが、左右どちらの足に軸があるかをフォロワーにはっきり示す為には、膝の曲げ伸ばし以外の余計な動きを混ぜない方が得策です。
腰をひねったり、軸をくねらせたり、膝でビートを打って上下動を起こすほどノリノリで動いても分かり合える相手と判るまでは、静かに左右に重心を入れ替えながらイントロの最初を過ごします。
「さあ、踊り始めよう!」という最初の一歩の…
直前の8カウントめ。
ここは、じわーっと深く踏み込むことで「次、動き始めるよ!」とフォロワーに知らせることができます。
深く踏み込め!というと、足裏で床を強く押そうとするあまり、膝を伸ばして身体全体で伸び上がってしまいがち。
私もそうでした。
それで通じていたので、それこそが正解と思ってました。
ところが、アルゼンチンタンゴはそれだと通じない。
それを知って、「正解は一つとは限らない」ことを知ったのです。
いろんなフォロワーが10人いたとして、5人に通じるリード方法より、6人に通じる方法を覚えた方が有益なことは確かです。
リード&フォローとは、フォロワーが生理的に心地よい状態に作用するようリーダーが動作変化を加えること。
5人に解る変化より、6人に解る変化の方がきっと生理的にしっくりくるのでしょう。
動き始める直前の8カウントめをじわっと踏み込む時は、
膝を伸ばして頭の位置が上がるほど伸び上がるのではなく、むしろ膝を落とし込む意識で床を押し込んだ方がフォロワーにはよく通じるものです。