未来の踊り手を作る担い手
基礎技術すら身に着いてないうちは、レッスンで習ったことを不十分な状態でフリーダンスに使いたくない。
これは私の信条。
相手の為に踊るという考えの他に、
フリーダンスをスタートするのを我慢するからこそ、練習に身が入り、結局は上達が速まる、と私は考えていました。
いわば「実践で慣れろ」の対極な考え方。
私はペアダンスに対して、物理的、合理的な理論に加えて精神性を強く求めるタイプなので、どのダンスもこういう覚え方でやってきました。
これは私個人の考え方なので、生徒さんを含めて他の人に強要する気は毛頭ありません。
新たに覚えた技術やパターンを実践でどんどん試したければやればいいし、
相手がどんな人だろうと、フロアーにいる異性全員と踊りたいという人は、踊ればいいのです。
「相手の為に踊る」というのと、「ソーシアルを楽しむ」というのは別の話です。
ペアダンスを探求するのが、私の第一の趣味。
私はたくさんの女性と目いっぱいソーシアルを踊りたいわけではなく、
休み休み自分のペースで探求の成果、つまり相手を楽しませるダンスを出していくのが好きなのです。
ペアダンス界がストイックな求道者ばかりになったら成り立ちません。
相手を楽しませることで同時に自分も楽しめる、皆がそういう時間と空間を共有できる場が、ダンスソーシアルだと思います。
日本は先進国の中では、日常生活とペアダンスの結び付きがとても弱い国だと感じます。
私は、サルサだ、WCSだと、自分がやっているダンスだけ流行ればいい、じゃダメなんだと常々考えています。
私が関わっていないジャンルも含めて、日本の全てのペアダンスの世界に新しい人が増え、盛り上がってくれることが私の願い。
今現在ペアダンスを踊る人たちの間に、「相手の為、他の人たちの為にペアダンスをする」という意識が広まれば、ペアダンス人口は今より確実に増えると思います。
現在の踊り手である自分こそ、未来の踊り手を作る担い手なのです。