現在の踊り手を去らせない為には
ペアダンスを踊る人によく言うのですが、
「特別上手でなくてもいいから、それなりにセンスを感じさせるリーダーがいれば、女性は残る。」
ペアダンス界は男性より女性が多いのが普通です。
フォローよりリードの方が難しいので当然でしょう。
社会に出ると男性の方が仕事に縛られる度合いが強いので、趣味の習い事を継続できる人が限られるというのもあります。
女性は華やかなもの、楽しいものへの憧れが強く、好奇心も旺盛なのでペアダンスに接する機会も男性より多いかもしれません。
女性の方がペアダンスの門をくぐる割合が大きいのは確かですが、去っていく頻度も大きいように思います。
女性は一般的に、家庭や子供を持つと自由度が減るという問題を抱えています。
ところが、そんなことよりもっと大きな理由。
それは、良いリーダーに恵まれないからというもの。
ペアダンスを踊る女性にとっては、リーダーが居なければ趣味として成り立ちません。
たとえ男性が居たとしても、楽しませてくれるかどうかが問題。
始めた当初はいいとしても、ずっと下手なままだと愛想を尽かして他所のダンスシーンに移っていくか、止めてしまうことが多い。
常識ある女性なら、今は下手でも将来は上達するだろうと感じれば、練習相手にもなってくれるでしょう。
でも、彼女たちは男性に本音は語りません。
男性が自分の実力をどう思うかを尋ねても、正確な評価は返ってこないことが多いのです。
ですから、男性は自分の技量を俯瞰で観て自覚することがとても大切です。
絶対的な技量レベルに則して、自分は何をどうするべきかを知ることが、
「相手の為に踊る、他の人の為に踊る」に繋がるのだと思います。
未来の踊り手を作るか、
あるいは、現在の踊り手を去らせるか。
別の記事で、大阪の女性が良いリーダーを育てると述べましたが、
実を言うと、女性たちがリーダーを育てる構造を持っているのはどこの地域、どのダンスジャンルでも同様なのです。
そして、その反対に、
一定期間を経た男性が、女性たちのモチベーションの鍵を握っているという構造も、どこの地域、どのジャンルにも当てはまる。
リーダーである男性に課せられた責任はとても重い。