スウィングダンスを通しての気づき
「①② ③&④ ⑤&⑥」
他のダンスを経験してきた身で、スウィングダンスのベーシックを分析すると、いろいろなことが解って、
「あー、だからか…」と、腑に落ちることがたくさんあります。
気づき1)
最初の「①②」を「後退して、戻る」という「ロックステップ」の動きは、サルサダンスでいうと「オープンブレイク」にあたります。
次の動き出しに勢いを付ける働きがあると同時に、
コネクション重視で弱めにやれば二人の息(歩調や間合い)を整えることができます。
サルサでオープンブレイクを入れたパターンをやると、8-count ×2で16カウントも使ってしまいますが、スウィングなら6カウントで済みます。
私はサルサダンスを踊る時、オープンブレイクを多用する方ですが、スウィングならいちいちそれを意識的に挟まなくても、パターンごとに向こうから自然にやってくるので、とても心地よく踊れるのです。
気づき2)
スウィングダンスの中でも West Coast Swing はさらに進歩していて、
最初の「①②」を、その前のパターンの「⑤&⑥」の “&⑥” に代替えさせてしまいました。
(音楽でいえば、イントロなしでいきなり歌から入るような感じ。)
この「ロックステップ」代わりの「⑤&⑥」を「アンカーステップ」といいますが、このシステムになったお陰で、ごく自然体で踊れるスウィングダンスが、さらにシンプルになると共に『静寂性』を手に入れました。
それまで「①②」という 2-countブロックを丸々使っていたメリハリある動きが、“&⑥” という細やかな動きに変わった為です。
初心者でも比較的取っ付きやすいリンディホップに対して、WCSがなかなか大衆化していかない主な原因は、「アンカーステップ」がとても細やかな感覚を必要とするからです。
余程のペアダンス経験者でないと、「二人の息(歩調や間合い)を整える為のコネクション調整」の意義を理解することは難しいし、それを “&⑥” という細やかな動きで体現できないでしょう。