シンクロ型と複合ベクトル型
コネクションをできるだけ軽く、トーンを小さく、柔らかく踊ると体力的に楽だし、肩などの痛みが小さくなる。
といって、
「柳に風」のような抵抗感の全く無い、シンクロ感100%のペアワークでは、面白くない。
面白くないどころか、
リーダーとフォロワーが
「同じ軌道の上をシンクロした動きをするのがペアダンス」である
と勘違いしている人がかなりいるのではないかと、私は考えています。
サルサもWCSも、スピードが速いターンを多用するダンスです。
こういう「折り返し(Tuck)」の動作が多いダンスのリード&フォローは、お互いのステップ移動によって起こる「テンションとコンプレッション」で行なうのが基本です。
仮に前者を「シンクロ型ペアワーク」と呼び、後者を「複合ベクトル型ペアワーク」と呼ぶことにしましょう。
ほとんどのペアダンスは比率こそ違っても、この2種類の動きを組み合わせて行います。
ところが、前者がペアダンスの全てであると思っている人が、「複合ベクトルシステム」の中に入れられると、引いたり押したりの瞬間的な変化に付いていけません。
複合ベクトル型ペアワークを遂行するには、
・体幹を使って良い姿勢、良いフレームを作り
・コネクション変化に対応して全身の各パーツに過不足ないトーン(調)を配給できる繊細さ
が必要なんですが…
教えられてもなかなか理解しにくい、このペアダンス基礎を教わらずに来てしまった人は、
体力的に楽で、覚えるのも簡単な「シンクロ型ペアワーク」でしか踊らなくなるのも十分理解できます。
問題は、ペアワークには2つの動き方があって、システム的な違いがあることを理解しているかどうか。
この私もサルサを始めた当初は、ペアダンスとは男女がシンクロして動くものとしか考えていませんでした。
それを正し、ペア間のベクトル変化によるシステムの作り方を詳しく紹介してくれたのが、まこも先生でした。
・まこも先生のOn2サルサが取っ掛かりをくださり、
・具体的に煮詰めていけたのが韓国での体験、
・さらにパターンとしての動き一つ一つを理論付ける知識を与えてくれたのが、WCSというわけです。