商業的成功とダンス人口増加
先週末のKorea Westival。
Maxence Martinのワークショップを受けていた時のことです。
課題パターンを練習中、受講者を見て回っていたMaxenceから「リンディーホップやってる?」と訊かれました。
「いいえ、私は元々サルサです。」
リンディーは初心者レッスンを二度ほど受けたのみ。
簡単なパターンの足型を教わっただけで、基礎的な約束事すら習ってません。
WCSを始めた頃、最も注意したのはバウンス(上下動)しないことだったので、私の動きの中にリンディーホップを感じさせる要素があるとは思えないのですが…
単純に、参加者の中で私が高齢だったので歴史が古いリンディーホップからの転向者だと思っただけかもしれません。
Maxence自身もリンディーホップからWCSへ転向したダンサーだと読んだことがあります。
世界的なトッププロを見ると、彼以外にも両方踊れる人は大勢います。
向上心を持つ人は、より新しい技術、洗練されたスタイルに目を向けるものです。
反対に広く浅く、いろいろなダンスを楽しみたいという人もいます。
そういえば、韓国のWCSソーシアルでも数年前まではリンディーホップの影響が見られるダンサーをよく見かけたものです。
が、最近の韓国WCS界は技術志向が高まったためか、頻繁に海外の競技会に参加する人と趣味として楽しみたいだけという人との間に距離ができてしまったようです。
主要メンバーの技量は伸びた反面、裾野は決して広がっていないと聞きました。
これはペアダンス界共通の悩みですね。
サルサもパフォーマンスに力を入れる人が増え過ぎるとソーシアルの場が冷えていきます。
何回転できるとか、難しいコンボパターンができるというのと、ソーシアルで相手を楽しませられるというのは全くの別物。
フロアーの中がステージダンス張りに派手に踊る人ばかりになると、初心者はもちろん、軽く踊ることを楽しみたいだけの人たちも足が遠のきます。
商業的な成功とダンス人口の増加を両立させるというのはペアダンス界最大の難問のようです。