ダンスインストラクターじんじんの日記

Salsa, West Coast Swing のインストラクターじんじんが思いのままをつづるブログ

ペアダンスとホスピタリティー

私はレギュラーレッスンを持ち、小さいながらもダンスコミュニティーを率いる立場である為、サルサ、WCS両方のプロダンサーやオーガナイザーからコンタクトを受けることがあります。

 

そういう人たちは、どこで自分の仕事に結び付くか分らないことを知っているので、極東の無名インストラクターが相手といえども接し方はわきまえています。

 

一方、自分の楽しみとしかダンスを捉えてない人、特に自分の力を過信しているのだろうという態度が見られる人の中には、今まで見たことのない人を踊る前から「どうせ下手くそ。」と蔑む人がいます。

 

そういう傾向は、そのダンスがその地域でメジャーであるかマイナーであるかに関係するように思います。

 

アメリカの大都市で開催される大きなサルサイベントだと、上手いダンサーが大挙押し寄せるので、初めて見る初老のアジア人なんか踊ってやる時間は無いと思われても仕方ないのかもしれません。

 

一方、サルサ人気が定着する韓国においてマイナーな立場であるWCSシーンでは、年齢や上手い下手に関係なく、初めて訪れたビジターを皆んなで優しく迎え入れます。

 

聞いた話だと、ヨーロッパのWCS大国、フランスのオープンにアジアから参加したある女性プロは顔と名前が知られていなかった為に、ソーシアルでプロとして相応しい姿を見せた後でさえ全然誘ってもらえなかったとか。

 

「国民すべて一律、皆中流」の日本国内で踊るだけだと実感湧きにくいですが、海外に出ると階級制度のような見えない線引きがされた中に紛れ込んだ気持ちにさせられることがあります。

 

イベントが大きくなればなるほど、外様の異型参加者は踊る前から下手くその烙印を押された段階からのスタートを強いられるものです。

 

イベントを開くオーガナイザーたちは、有名無名に関係なくフロアーに居るダンサー全員をイベントに華を添えてくれる存在として大切に扱いたいと考えるものですが、一般ダンサーの欲はそんなオーガナイザーの考えとはかけ離れたところにあるのが普通です。

 

クラブの平常営業に訪れた初ビジターに対しては、おもてなしの意識を持って迎え入れようと努める地元ダンサーが多いのに…

プロのダンサー、インストラクターが参加する大きなイベントだと地元ダンサーも客意識100%で、「見知らぬ旅行者など知ったことじゃない。」という傾向が表れるように思います。

 

ペアダンスソーシアルでの出会いは一期一会。

私は初めて踊った人に話し掛けることは基本的にありませんが、ダンス中はいつどこであってもできる限りの丁寧なリードを心掛けるようにしています。

 

ペアダンスも数ある社会活動の一部だと考えるなら、せめて自分の地元で開催されるイベントでは心のどこかにホスト、ホステスの意識を携えて参加してもらえたらと願います。