ペアダンスが中高年の運動に適する理由
年を取ると全身あらゆる場所が衰えますが、特に下肢の筋肉の衰えが激しいのは誰もが実感するところ。
運動どころか歩くことすら億劫に思うようになった現代の中高年は、意識して鍛える必要があるといえるでしょう。
ところが、張り切っていきなり走り出すと衰えた筋肉は悲鳴をあげてしまいます。
肉体的に辛いと、長続きさせるのも大変です。
その点でペアダンスは、中高年が始めるにはとても優れた運動だと思います。
ペアダンスの多くは、一人で踊るダンスに比べて相対的に体力の負担が少ない。
しかもリード&フォローには、上半身のフレーム作りが欠かせないので、まずは体幹を鍛えることになります。
表にあるように、体幹の筋肉は男女とも40代くらいでピークを迎え、徐々に減っていきます。
ですから最初は、筋力が比較的残っている体幹を使って基本姿勢を学び、衰えた下肢に対してはゆっくりステップ練習をして覚えていくペアダンスは、無理せずにスタートさせる運動としては最適といえるのです。
しかも、頭の体操、記憶力の減少防止にも役立つ。
リード&フォローを覚えるには、立体パズルを組み立てるような頭の使い方が必要です。
足型を覚える際にも、このパズル的思考でパートナーとの相関性を交えれば、面白さが増すはずです。
何歳になっても井戸端会議ができる女性と違って、仕事上の付き合い以外では人との会話があまり無い中高年男性にとって、老若男女問わず接する機会があるというのも大きい。
特に異性と触れ合うという行為自体が、精神衛生上とてもプラスに働くように感じます。
実際に交際相手を見つけて結婚まで行き着くカップルもいらっしゃいますが、フロアー内だけの友達関係でも十分に楽しいし、生活にメリハリが付くというものです。
私自身は、退屈で寂しい週末に何か打ち込める物を、と思ってサルサを始めました。
余暇を埋めるための趣味が、
奇跡的な出会いを呼び、
今ではライフワークともいえる存在にまでなりました。
ハードルが高いのは最初だけ。
それを乗り越えたら、抜け出すことができないくらいハマる魅力にあふれている、と言っておきます。