ステップで受け取った伝言
基本的に、リード&フォローの噛み合わせが悪い場合は、フォロワーがリーダーに歩み寄るのが普通です。
今日、このブログを書く前にサルサのレッスンをしたので、
女性たちに、相手のステップタイミングに不満がある時、どうするか訊いてみたら…
相手がどうしようもない外れ方をする時は、自分の方で直すように持っていくとか、
カウント1で声を出して教える…というのまでありました。
そこまで下手な相手なら、後の影響まで考える必要はないかもしれませんが…
問題はリズ厶や基礎理論の解釈の違いから起こるズレの場合。
そういう次元まで掘り下げて考えたことがない人、あるいは間違って覚えてしまった人は、そういう問題でステップが合わなくなるという発想自体がありません。
そんな時、人は
大抵、自分の尺度を基に物事を考えたがるので、
・相手が下手なせい
・性格悪い
・自分を嫌ってる
…などと考えるものです。
アマチュア時代の私はそうでした。
「自分のステップが早いから」とは、まったく考えませんでした。
リズ厶感覚には自信を持っていたので、正確なタイミングで正しいカウントを拾えている自覚があったからです。
実際には、
リズムを正しく捉えられていても…
それをステップという動作に表す時点で、「完璧なタイミングで踏んでいるかどうか」は別問題なのです。
得てして、緊張を強いられる場面では
人は焦って動作タイミングが早くなるものです。
アマチュア時代の私が、
まこも先生や、韓国トップクラスの女性プロと踊った時、リラックスしていたはずがありません。
正しく踏んでいるつもりだったステップは、きっと早かったと思われます。
さらに!
当時の私は、ジャストのタイミングで踏むのが最良のステップだと思っていたのです。
そのつもりのステップが、ジャストより早くなっていれば、当然フォロワーは気持ちいいはずがありません。
当時、自信家に見えていたであろう私に
「アタシはこのダンス、気持ち悪い。」と知らせる為に、わざと遅くステップしてくれたのであれば…
皮肉でもなんでもなく、
「正直に教えてくださって、ありがとうございます!」です。
こういう経験もあって、その後
「ビートとビートの間のどのタイミングで足を動かし、どのタイミングで上半身を次のステップ上に載せるか」
を自在にコントロールできるようにするトレーニングを考えたのです。
ぎりぎりまで溜められる技量があれば、
たとえ緊張状態にあっても、少なくとも早すぎるステップにはなりません。