ペアダンスによる幸福感1「成長」
前回の続き。
幸福学では、物質的な豊かさは一時的には幸福度が高まるものの、慣れてしまうと下がってしまうといいます。
お金も、無いことによる絶対的な不幸は別にして、あり過ぎるほどあっても相対的な幸福度にはなりません。
人は物質的なものより、精神的な充足感を重視するので、趣味の活動や旅行など「経験」によって得られる幸福感の方がより大きくて持続性があるといいます。
これは人間が生きる上での本質的な目的が、成長にあるというのが理由だそうです。
確かに、私はいろいろなことに興味を持ち、趣味としてきましたが、
いつ、どの趣味においても右肩上がりの意識が持てなくなると、とりあえず似たような別のジャンルを探して移ってきたように思います。
特にダンスに対する思いは、若い頃と今では全く違います。
私はペアダンスを始めたことで、人間の動きの中に今まで気付くことがなかった新たな発見をし、
その奥にある、さらなる未知を探していくことを喜びとしてきました。
一曲を踊れればそれで良しとして、単なる愉しみとして区切りを付けようという気持ちは全くなかったので、ここまでやってこれたのかもしれません。
際限なく成長できることがうれしいので、ペアダンスを勉強してこられたのです。
若い頃、結局断念するに至ったジャズダンスのように、ペアダンスを生きる糧にしてしまうと、自身の成長より物質的な成果を得るために活動せざるを得ない苦しみを招くと思ったので生業とする気持ちははなからありませんでした。
結果的にはそれが私が持つ、今の幸福感につながっていると確信できます。
世の流行りとは関係なく、自分が美しいと思うもの、楽しいと思うものを追求できる喜びは、この道の上でなければ決して成り立たなかったでしょう。