難しいモチベーション維持
『なぜサルサが面白くなくなるのか』
2009年10月07日03:44
現在、私の趣味はサルサを踊ること。
それ以外、これといって挙げることができない。音楽を聴くこともなければ、読書もしない。
サルサを踊ると言ってもクラブに行くのが好きなわけではなく、ただただダンス自体が好きなのだ。
練習フロアで新ワザを作って解析したり、ダンス理論の解明をするのが面白い。だから実際にクラブに足を運ぶのは月に一度か二度。
今年に入ってからは海外や他の都市への遠征を繰り返しているので、地元クラブには月に一度行くかどうかという頻度。そして、この2年ほどはクラブに行くよりも映画やスーパー銭湯に行ったり、美味しいものを食べたらすぐに帰宅してごろごろしている方が楽しいと思うようになってしまった。
同じ時代を共に過ごしてきた人たちが軒並み名古屋のクラブから去ったこと、年齢的な衰え…など、いろいろな事情が重なって週末のクラブから足が遠のいた。
今思うと、サルサを始めて半年から1年くらいが一番楽しかった。
自分にとって相性が合うと感じる相手がいくらでもいたし、サルサの神様が舞い降りたことが何度もあった。その頃、自分にとってはすごく上手な先輩格にあたる女性が「以前は週に二度三度と踊ったけど、今は2、3ヶ月に一度。」と言っていたのが信じられなかったのだが、今は自分自身がそうなっているのだ。
誰でも始めた頃は早く上手くなりたいと願う。
ところが上手くなればなるほど、踊りに対する意識やペアワークにおける感性がシビアになる為、踊った相手に対して「この人、メッチャいい!」と思うことがほとんど無くなってしまう。インストをやってるような上手い人が相手でも、ダメな時はダメなのだ。
プロとして名を売っているような人は自分なりの理論や個性を発展させた上で自分を表現するものである。
気持ちが乗ってくれば乗ってくるほど研ぎ澄まされた感性を突きつけてくるし、自分自身をアピールしたがるのが普通なので、同じような理論と個性を持ち合わせているか、二人一緒に踊りを昇華させたいという意識がない限り、気持ちのいい高揚感を得ることは難しい。
反対にこちらを見てやろうと思われたり、適当に合わせるフォローをされると、そのイージーさがテンションを下げてしまうので、サルサの神様は舞い降りてきてはくれない。上手くなればなるほど踊りが楽しくなくなる。
実に皮肉なことだが、今までいろんな所で見掛けた上級者女性に「正に今その真っ最中」という雰囲気を感じることが幾度かあった。
男性は自分から相手を選んで能動的に踊れるからまだいいが、受動的立場の女性は踊りのレベルがある程度上がるとサルサそのものから意識が離れて行き易い。
上手な女性たちにいつまでも踊り続けて欲しいと願うなら、男性は慢心することなく自分を磨き、いつも相手を思いやる気持ちでリードすることが大切である。
特に女性は、自分の踊りを上手に引き出してくれる男性がいないと、ペアダンスそのものへのモチベーションが保ちにくいというのはあるでしょう。
普通は、上手になれないから諦めるという風に考えるでしょうが、一方で上手いのにダンス界から去っていく人も意外に多いのです。