足数を増やすことがカッコよさの決め手
ジェリー・ルイスが本物のダンサーであると、以前書いたことがあります。
彼の動きを見ていて気付いたのは、カウント足だけに留まらずに足数を可能な限り増やしていること。
Jerry Lewis Jitterbug - YouTube
足裏を分割して使えば、ステップの見た目を軽くも重くもできるし、多彩な表現が可能になると昔から主張してきましたが…
この動画のジェリーもステップ一つずつを細かく刻んだり、捻る動きを加えて動きの量を倍に見せる努力をしています。
さらに単純な後退ステップにスィープを加えたり、後ろキックの際に内股にしてコミカルな表情付けを行っています。
パートナー女性の動きが派手で大きいので、つい見逃しがちですが、足元を見ればジェリーの方がずっと華美であることに気付きます。
このように昔のスウィング系ダンスにおいては、フォロワーよりリーダーの方が足数が多いのが普通です。
Rock n Roll - Bill Haley, Lets Rip it up - YouTube
回転させられたり、右に行ったり左に行ったりと移動の激しいフォロワーに比べると、リーダーの移動量は少なめ。
そこで移動を伴わない足数を増やして目立ちたいという欲求が出るのは当然でしょう。
元々、スウィング系ダンスに大きな影響を与えたタップダンスの表現がそれを助けました。
Martin and Lewis - The 4 Stepp Brothers 3rd time on M&L - YouTube
動きの激しいロックンロールだと、腰や膝のツイストが入るので、動きのバリエーションはさらに増えます。
Rock-A-Beatin' Boogie [Bill Haley] - YouTube
0:40からの動きは私もサルサの中でよくやりますが、Carolina Shagはロックンロールダンスの踊り方やフレーム固定による足技の発展型じゃないかと思われます。
Carolina Shag Dance to Pink Cadillac with Brennar Goree and Autumn Jones. - YouTube
実際、Carolina Shagの黎明期に流れていた音楽は、Beach Musicと呼ばれるロックンロールの一種でした。
こうした多くのスウィングダンスの共通点として挙げられる、リーダーの足数の多さ。
これにこだわることが、男性がストリートペアダンスをカッコよく決める秘訣のような気がします。