ダンスインストラクターじんじんの日記

Salsa, West Coast Swing のインストラクターじんじんが思いのままをつづるブログ

なぜ日本では爆発的感染が起きにくいか 1

日本は人口密度が高い割に、爆発的なウイルス感染の広がりは起きていません。

 

欧米に比べてマスク着用に抵抗がないのを始め、手洗いの頻度も多いなど、衛生意識が元々高かったことが大きいと思います。

 

あと、強く感じるのが「人と人との距離感」の違い。

日本人同士はハグはもちろん、握手も滅多にしません。

 

私は若い時からしばしば海外へ長期旅行をしてきました。

 

大学4年生の時のアメリカ旅行。

当時は、その日の宿泊はその日に決めるのが普通でした。

ピークシーズンの観光地ではホテルを見つけられないことが多く、観光案内所の斡旋で一般家庭の空き部屋に泊まることもありました。

 

家を探してドアをノック。

出てきた家人と挨拶を交わすと、まず握手だったのが私には大きな驚きでした。

 

住んだ時は、さらに接触度合いが深いことを知りました。

顔見知りの知り合いがその場にいたら、紹介されて握手。

銀行で口座を作る時は窓口カウンターではなく、担当となる人のデスクで向き合って手続きし、終わると握手。

旅行代理店で切符の手配をしても握手。

そして、2度目に会う時は、名字ではなく名前で呼び合いますし、ビジネスレターも、形式を重んじる日本式とは違い、個人的やり取りの要素をさりげなく入れるのがマナーです。

 

他人であっても、名刺をもらうような関係を築いた時は握手だし、さらにお互いに好意を持ち会えるような経験や行動を経た場合は、ハグや頬を擦り合わせるのも普通であることを体験しました。

 

日本人の私でも、相手が握手やハグをしようと近づく素振りを見せれば、自然に応えてしまうのを振り返ってみて、おかしく思ったのを憶えています。

 

今は、個人の経済活動はネットを通じてのやり取りが主になったので、昔ほど握手する相手は多くないでしょうが…

 

人との距離感に敏感だからか、道で肩がちょっとぶつかっただけでも「すみません。」と言い合い、後に続く人の為にドアを開け続けてあげるのも新鮮でした。

 

反対なのが、韓国。

韓国人は他人との距離感が非常に遠い。

かなり強くぶつかっても無言で通り過ぎます。

人の靴を踏んでも謝らない。

 

ところが、一旦関係ができると家族同様の親しさで接します。

男同士でも抱き合ったり、手をつないだりするし、お茶やご飯を共にする機会が非常に多い。

飲食店、中でもカフェの異常なほどの多さにはこんな事情があるのでは…と、私は考えています。

 

さらに親密さの違いは、取皿を使わないことにも表れています。

韓国での会食は、一つの鍋、一つの器から直接箸やスプーンで口へ運ぶことで進みます。

人数分の皿は用意されません。

親しくなった人は家族同然という考え方なのでしょう。

 

この意識が根底にある為、街の屋台でおでんを食べても、他人同士で一つのタレ缶を使い回します。

初めての渡韓で、若い女性がかじったおでんを二度付けしたのを見た時は驚愕でした。

 

日本の会食では取皿と取り箸を使うのが普通ですが、これは自分の衛生意識を満たしたいからというよりは、人の気持ちを配慮しての行動だと、私は考えています。

 

日本人は、人との距離感を積極的には縮めようとはしません。

生理的にも精神的にも距離感を保つために、自分が下がることに抵抗を持ちません。

これが「へりくだり(謙遜)」の文化を生んだのだと思います。

 

現代になっても、この日本人の気質が感染症の広がり方に大きな影響を与えているような気がします。